「待って待って。
オレのコト、ちゃんと見てよ」
細い方に優しく手を置いて、超無愛想な柚子にオレは語りかける。
「なんか怒ってるの?」
すると柚子は薄い唇を開いた。
「馴れ馴れしく下の名前で呼ぶな。
不愉快だ」
「え、ダメ?」
「君らのノリは軽薄すぎる。
付き合ってられん」
「まぁ、ちょっとくらいいーじゃん♪」
「ああ、構わん。
だから仲間内で好きにやってくれ」
陰気な美少女はそう言うなり、ぷいとそっぽを向いてしまった。
ふーん、そういう態度とっちゃうんだ。
これはちょっと、オシオキだね。
メニュー