なるほど、ちょっとづつ話が分かってきた。
つまりこういうことだ。
宮迫は爽やかな少年少女、特に垢抜けてイケイケで、ちょっとオシャレなヤツが嫌い。
だからイケメンで完璧なオレが嫌い。
「宮迫ちゃん」
「なんだ人民の敵」
「それってさ、宮迫ちゃんが心開けばいいんじゃね?
宮迫ちゃんフツーに可愛いしさ、みんなと喋れば、クラスにも溶け込めると思うけど」
「それはいらん世話だ」
機嫌は直ってないけど、宮迫は冷静な声だった。
「私はお前とかクラスの人とかが苦手なんだ。
喋ったところでウマも合わん。
自分から孤立を選んでるのに周囲に文句を言うなんて、我ながらお門違いだとは思うよ。
でもね――」
なんだ。
この子は思ったよりずっと――
「それでも気に食わんもんは気に食わん、嫌いなもんは嫌いだ悪いか畜生!
お前みたいなリア充がいるから社会の歪みが発生するんだ!
我々みたいな日陰者が文化祭とかクリスマスでぼっちの苦汁をなめるんだ!
お前がいるから独裁者が暴政を強いたりフリーメイソンが暗躍したりするんだぁぁー!!」
思ったよりずっと、残念だった。

