「世の中には2種類の人間がいる。
リアルの世界が充実している者と、そうじゃない負け組だ」
「え、リアルの世界って、現実世界ってことだよね。
それ以外なにがあるの?」
「リアルが充実してる奴は黙ってろ!」
なぜか機嫌を損ねたっぽい。
まぁそう説明されると、わかるっちゃわかるけどさ。
「要は、ガッコが楽しい人と楽しくない人がいるってことでしょ?」
「そういうことだ。
リアルが充実してる勝ち組どもを、ネットではリア充と呼ぶ」
「ねぇ宮迫ちゃん、なんでオレが殴られたのか、まだ説明されてないんだけど…」
「それはお前がリア充の親玉だからだ!!」
「はい?」
気づけば、宮迫の目には尋常じゃない殺意がこもっていた。
「顔よし、性格よし、成績いいし運動できるし、友達多いしすごいモテるし、何だお前はバケモノか。
間違いなく、この学校にお前以上のリア充はおらん。
よって、入学時からたまり続けた鬱憤を晴らすため、一番イラつく奴を殴らせてもらった」
あまりにも、まんまヤンキーな動機だった。

