西野くんの偽カノジョ




「俺、Bクラスの市川陽斗です!



よろしくね、結衣ちゃん。」



彼はそう自分の名前を名乗るとニコッと優しく笑った。



…笑顔がやばい。



あたしもし今好きな人がいなかったら



絶対一目惚れしてるよ。



「よ、よろしくお願いします。



あたし…」



「梶田結衣ちゃんでしょ?



いつも葵から聞いてる。」



自分で言う前に言われちゃった。



いつも西野くんからあたしのこと聞いてるんだ…って



「西野くんがあたしのこと市川くんに話してるって



どういうことですか?」



初めて話した人なのにあたしのこと知られてるなんて



恥ずかしすぎる。



「うーん…詳しく話したい所なんだけど…



そろそろ時間切れになっちゃうから結衣ちゃんの携帯貸して?」



時間切れ?



何だかよく分からないけど西野くんの仲が良い友達みたいだから



あたしはブレザーのポケットから携帯を取り出して市川くんに差し出した。