西野くんの偽カノジョ




俺が自分の席に着くと、後ろからついてきたハルが我が物顔で前の席に着いた。


「そこお前の席じゃねぇだろ。」



「大丈夫だよ。俺少なくともどっかの誰かさんと違って



クールじゃないし



口悪くないし



笑うし



ちゃんと1人1人対応するからたくさん友達いるし」


嫌味かよ…



それに今、落ち込んでるのを絶対知ってて追い討ちかけてるだろ。



俺は返す気になれずハルを睨み付けた。




「あー悪かった!本気にすんなよ!



葵は女子からモテモテですごいよなー!」



「今更フォローしたって遅いんだよ!



しかもそんなこと言われたって嬉しくねぇし!」



ハルは「だよな!今のお前にはあの子しか目に入ってないもんな。」とニヤけながら俺を見た。