西野くんの偽カノジョ




「はぁ…」



と溜め息をつきながら教室に向かって廊下を歩いていると



前から小学校の時から友達の市川 陽斗(イチカワハルト)



通称 ハルが飛び付いてきた。



「んだよ。今そんな気分じゃねぇから後にしてくれ。」



「おーいー!葵くんどうしたんだよー!」



語尾イチイチ伸ばすな!


ていうかお前の声でかすぎ。



本当に能天気なヤツ…



「うるせぇ!少しは空気を読め!」


周りの女子も俺と話したことも関わりもないくせに



根拠なく「西野くーん!」と猫撫で声で呼んでくる。


それに我慢できなくなった俺は後ろで1人騒いでいるハルのことなんて気にせず教室に入った。