西野くんの偽カノジョ




「図書室からお前の泣き声が聞こえたと思ったら



やっぱりお前だし。



お前の涙はそんなに泣いても枯れねぇのかよ。」



翔太先輩ってなんか面白い。



だってあたしのこと心配するんじゃなくて



あたしの涙の心配するんだもん!



あたしがクスクス笑っていると



翔太先輩は「泣いたり笑ったり忙しい奴だな。」と言って頭を撫でてくれた。



翔太先輩に撫でてもらって喜んでいると




横から冷たい視線を感じた。



「ふーん、そういうことかよ。



よーく分かったよ!



その先輩のことが好きなら最初から言えば良かったのに。



お前は呆れるほど何にも分かってねぇんだな。



もういい!勝手にしろ!」



西野くんはそう吐き捨てると図書室から出ていった。