あたしが必死に西野くんから逃げようとしたら
「絶対離さねぇ」と上から西野くんの声が降ってきた。
あたしはすかさず逃げるために色々抵抗していたら
西野くんが力ない声で
「何で避けんだよ…
あの日起きたら先に帰ってるし
メールしても電話してもシカトだし
直接会いに行っても『用事があるので…』って言って避けるし
…ふざけんなよ。
だからお前は俺のこと何も分かってねぇんだよ…」
恐る恐る後ろを振り向くといつもの西野くんじゃなくて
今にも壊れちゃいそうな元気のない西野くんがいた。
「西野く…んっ」
あたしが見つめていると西野くんは自分の顔を隠すかのようにあたしの唇にキスをした。

