西野くんの偽カノジョ




着いた場所は少しほこりっぽい図書室だった。



「大丈夫?とりあえずこれで涙拭いて」



と言われてティッシュを渡された。



「ぐすっ…す、すみません…ありがとう…ございます。」



あたしはティッシュを受け取って急いで涙を拭った。


「ゆっくりでいいから!別に急いでないし。」



「すみません…」



「謝ってばっか!何か悪いことしたわけじゃないのに。」



「すみま…あっ!」



また謝ろうとしちゃった。




隣で先輩は壁の方向いてトントン壁を叩きながら思いっきり笑ってるし…



恥ずかしい…



「本当に変な奴…」



先輩は未だに笑っていて、気付いたら先輩に巻き込まれたかのように



あたしも笑っていて涙もすっかり止まっていた。