あたしはゆっくり顔を上げてみると、彼は嬉しそうな顔をしていてさっきの哀しそうな顔を消えていた。
「そうやってどんどん自分の気持ちを俺にぶつけてこい。
絶対に離さないから」
「…」
え?あたし…あんなこと言ったのに、拒んだりしたのに怒らないの?
「安心しろ、結衣への気持ち全然変わってないから。
さっきの女は、ハルの妹。
ハルの家にたまに行くとアイツがいるから一緒に話したりするだけ。
それにアイツにはちゃんと彼氏がいるから問題ない。
お弁当はハルが忘れたから代わりに預かっただけで俺のじゃない。」
さっきの女の子…ハルくんの妹だったんだ。
あたし…全然知らないでヤキモチ妬いちゃった。
恥ずかしい…
「…ヤキモチ妬いちゃってごめんなさい。」
「…謝ることじゃないだろ。
ちゃんとこれからも俺に言えよ。」
と葵くんの言葉にコクンと頷いた。

