西野くんの偽カノジョ




それから少しハルくんの話をして



「暗くなってきたしそろそろ行くか」



と言われて席を立つ葵くんに



「あたしもお金払わせて下さい。」



と頼んだ。



絶対高いし、プレゼントも雑誌に載るくらい高いのもらっちゃったし…



そう思って言ってみたけど……



「誰が女に払わすかよ。結衣は出さなくていいから」


と言われて葵くんはあたしの夕ごはんのお金まで出してくれた。



「ごちそうさまでした。」



あたし…葵くんに頼りっぱなしだな。



本当に葵くんは抜け目がない。



「別に、次はイルミネーション見に行くんだろ?」



しょんぼりしたあたしの顔を一度見つめると、葵くんは強引に手を引っ張って歩き出した。