「全部全部葵くんのおかげなんです。
あたし1人じゃ、バイトも勉強も両立できなかっただろうし。
だから…ありがとう。」
あたしは葵くんの目をみつめてそう言った。
「…分かったから。次の定期テストも教えてやるからそんなにこっち見んな。」
葵くんはあたしから視線を外してそっぽを向いてしまった。
いいんだ、それでも。
彼が葵くんがいてくれればそばにいてくれれば
あたしはずっと笑顔でいることができるから。
葵くんはあたしの家まで送ってくれて、「じゃあな」とサラッと言って帰ろうとする彼に
昨日も今日も葵くんのそばにいて急に淋しくなってきたあたしは口には出さなかったけど
きっと、顔は淋しそうな顔をして「また明日ね」って言ったんだと思う。
そしたら……
「バカ、そんな顔されたら帰れないだろ。」
と言ってあたしの所に戻ってきて一瞬触れるくらいの優しくて冷たいキスをして
「早く中に入って寝ろ。風邪っぴき」
と言葉を残してもう後ろは振り向かずに帰って行った。

