西野くんの偽カノジョ




「サンキュ」



と言って、あたしの右手を繋ぐと葵くんのポケットの中に2つの手を入れてバイト先を後にした。



―帰り道。



あたしは期末テストのことを思い出して葵くんに言ってみた。



「葵くん、あたしあんなこと言って逃げ出しちゃったのに数学の問題まとめてくれてありがとね。」



本当にあのノート分かりやすくて助かったんだよ。



あのノートがなかったらきっと、冬休みなんてなかっただろうし。



何と言っても数学のできなさは皆無に近いしね……



「大したことしてねぇよ。あのノートで俺もテスト勉強したし…」



「でも、あたし初めて75点も取れたんだよ。



学校の先生は補習なしで良かったなって言ってくれたし



両親もテスト前にバイトやることはあんまり賛成してくれなかったけど、答案を見せたら



しっかりバイトも頑張りなさいって言ってくれて……」



あたしは言葉を続けた。