―ガチャ
「…葵くん?」
あたしがそう呼ぶと彼は顔を上げて
「お疲れ」
文句1つ言わずに待ってくれていた。
「たくさん待たせちゃってごめんね。
寒かったよね?ごめんなさい。」
とあたしが謝ると…
「別にこうやって謝ってもらうためにお前を迎えにきたわけじゃない。
アイツに送られるのも、1人で結衣が帰るのも嫌だから来ただけ。」
と違う方を見ながら話す葵くん。
よく見ると顔が赤く見えるのは気のせいかな?
「ありがとう。
本当は1人で帰るのずっと心細かったんだ。
ちょっと待っててね?」
と言ってあたしはバイト先の前にある自動販売機まで走って
ホットコーヒーとミルクティーを買って葵くんの所に戻った。
「はい、これだけじゃ温かくならないと思うけど、もらって?」
と言って葵くんの手を掴んでその上にホットコーヒーをのせた。
手を掴んだ時、やっぱり葵くんの手はすっごく冷たくて1時間は待たせちゃったと思う。

