「いえ…喜んでもらえたらそれで十分です。」
あたしはニコッと微笑んだ。
「あんまり無理すんなよ。
まだ熱があるの知ってんだかんな。」
と少し怒った顔をしながらも頭を優しく撫でる葵くん。
「…ごめんなさい。」
どうやら本当に体温計の電源も切らずに西野くんの部屋に行っちゃったみたい。
あたしのばか。
「お前の中にある迷惑って言葉を全部捨てろ。
辛いなら辛いって言えばいいし
泣きたくなったら俺の前で泣いて
不安になったらいつでも頼って来い。
お前の彼氏なんだから気を遣わないで、もっと頼れ。」
とあたしに優しい優しい言葉を掛けてくれた。

