西野くんの偽カノジョ




「あたしがアルバイトをしていた理由は…



西野くんに喜んで欲しかったからです。



昨日、誕生日で過ぎちゃいましたけど…



お誕生日おめでとうございます。



いつも迷惑掛けてばっかりでごめんなさい。



だけど、こんなあたしを選んでくれて、好きになってくれてありがとう。」



あたしがそう言って、プレゼントを差し出して俯いていると……



プレゼントだけじゃなくて、あたしも引き寄せられた。



「西野くん?」



「…じゃないだろ?」



と悪戯な笑みを浮かべる彼。



「…葵くん?」



「今はそれで許してやるよ。」



すると、葵くんはあたしのおでこにそっとキスをした。