西野くんの偽カノジョ



――――…



「ごちそうさまでした!」


すっごく美味しかった!



病み上がりにもかかわらず残さず全部食べちゃった。



西野くんはあたしが食べ終わるのを待ってくれて、お皿を提げて洗い物をしようとする西野くんをあたしは止めた。



「お世話になりっぱなしなのでこれくらいさせて下さい。」



あたしはスポンジと洗剤を持って今にも洗い物を始めようとした西野くんからサッともらって洗い物を始めた。



「俺がやるから、お前は向こうで熱測ってろ。」



「大丈夫、もう熱なんてありませんから。



西野くんこそあたしの看病で疲れているでしょうから休んでいて下さい。」



と言って、あたしは西野くんに任せたりしなかった。


これくらいあたしがやらないとバチが当たっちゃう。


西野くんにやってもらってばっかりの自分は嫌だもん。



「終わったらすぐ来いよ、待ってるから。」



西野くんはそれだけ言って、キッチンから出て行った。



なんか同棲してるみたい。


本当に同棲できたらどんなに幸せなんだろう。