西野くんの偽カノジョ




あたしは首をフルフルと首を横に振ったのに



西野くんに抱き締められながら、頭をポンポンとされるのがすごく心地よくて


結局、西野くんの腕の中で眠ってしまった。










次に目が覚めた時には……


いつもより子供っぽくって、優しい顔をして眠っている西野くんが隣にいた。


周りには救急箱やタオル、コンビニの袋が置いてあって…自分が体調が悪かったことに気付いた。



「…ありがとう、西野くん大…好き。」



あたしは彼を見つめながら彼に聞こえない小さな声で呟いた。



「…ん、結衣?」



お、起きちゃった!



あたしは返事をせずにぎゅっと目を瞑って寝ているふりををした。



彼がどんな顔をしているかは分からないけど…



あたしの前髪を上げて、おでこに手を当てて熱がないか調べているみたい。



「…良かった。ったく、心配掛けんなよ。」



彼はフッと笑うと、ベッドから離れて部屋から出ていった。