しばらく結衣のことを考えながら、女子たちが話し掛けてくるのを無視していると……
俺が相手しないのをやっと気づいたのか相手してくれる男子たちの元に行って向こうでトランプをやり出していた。
もう俺がここにいる必要はないし帰ろ。
「…ハル」
「んだよ?お前も一緒にトランプするか?」
ハルがそう言った途端、女子たちが私の隣に来て下さい!なんて頬を赤らめながらそんなこと言ってきたけど
トランプなんてやる気ないし、こんな奴らの隣に座っても耳が痛くなるだけだ。
「やらねぇー、帰る。」
とそれだけ言って玄関に向かおうとすると
「葵、連れ出しちゃった俺が悪いことしたかもしれないけど…
結衣ちゃん、きっと葵のこと待ってる。
葵の誕生日を教えたの俺だから。」
ニコッと笑うハル。
嘘だろ。
だってもう21時過ぎてるし……
さすがに帰ってるだろ。
でも、もしもまだ待っていたら……きっと、家には誰もいねぇし。
俺はすぐにハルの家から飛び出した。

