ケーキを持ってたから走ることはできなかったけれど、早歩きをして西野くんの家まで着いた。
緊張して手が震える中あたしはインターフォンのボタンを押した。
―ピンポーン
と甲高い音が鳴るけど返答はなく留守のようだった。
約束をしなかった自分がいけないんだし西野くんが来るまで待ってよう。
寒いな…
手袋をして、マフラーをして、コートも来ているけどやっぱり寒いや。
早く西野くん帰って来ないかな?
バイトしてた時は晴れてたのに雲行きは怪しいし…何だか雪が降りそうな天気になってきた。
たまに携帯をパカパカ開けながら西野くんの家の前で待っていたけれど…
1時間待っても
2時間待っても
3時間待っても
西野くんが帰ってくることはなかった。

