葉山先輩は椅子から立ち上がるとあたしに近付いてきて
「分かったから…早くアイツの所に行け。
それで本当に心から笑えるようになれよ。俺にはそこまでできないからさ。」
あたしの頭をポンポンとしながら言う葉山先輩。
「はい。でも本当に嬉しかったです。
葉山先輩に声を掛けてもらえなかったら違う考えになっていたかもしれないので。」
と言うと、葉山先輩はまた「それは良かった。ほらもう暗くなってきたからもう行け。」と急かされてしまった。
「分かりました。本当にありがとうございました。」
とあたしは頭を下げてお礼を言うと階段を降りて裏口からお店を出た。
西野くん…
もう逃げたりしないから
家にいないならいくらでも待つから
あたしの話を聞いて下さい。

