西野くんの偽カノジョ




あたしはお店の制服から私服に着替えて、バックとケーキの入った箱を持つと


階段を上って葉山先輩の部屋に向かった。



やっぱり、 ちゃんとお礼は直接言いたい。



階段を上ってすぐの部屋を見ると、ドアが開いていて覗いてみると



机に向かって一生懸命勉強している葉山先輩の姿があった。



「葉山先輩…」



あたしが小さな声で呼ぶと、葉山先輩は椅子に座ったまま振り返って



「お前まだいたのかよ。」


といきなりそう言ってきた。



「あの…あたし、葉山先輩にお礼が言いたかったんです。



ケーキ美味しかったです。その他にもこんなにたくさんもらっちゃって…



元気ないあたしのためにこんなにしてくれて本当にありがとうございました。



おかげでもうこんなに元気です!」



と言ってあたしは笑顔で微笑んだ。