西野くんの偽カノジョ




葉山先輩が見えなくなるまで見送っていると、



後ろからスタスタと早歩きをする足音が聞こえて振り向こうとしたらそのままふわっと抱き締められた。


「西野くん…?」



「…すかよ。」



3文字しか聞こえなくてその前に何を言ってたのか聞き取れなかった。



「え…?」



「絶対に…結衣はアイツになんかに渡さねぇ。」



嬉しい…



あたしの耳元で言ったから言葉が余計に離れない。


って余韻に浸ってる場合じゃなくて、ちゃんと自分の気持ち西野くんに伝えなくちゃ!


「西野くん、あたしばっかり西野くんのこと好き過ぎてごめんなさい!」



あたしが西野くんから離れてそう言うと、彼は「は?」と言って目を見開いていた。



そしてあたしは話を続けた。