大輔くんは耳元で西野くんに聞こえないような声で 「今度は絶対離すなよ。」 と言ってあたしのおでこにキスをした。 「え…ちょっと、大輔くん!」 「じゃあな、梶田さん。」 大輔くんはあたしたちに手を振って去って行った。 あたしは言えなかった 「今までありがとう」 を大輔くんの背中に向かって呟いて見えなくなるまで見つめていた。