西野くんの偽カノジョ




「ねぇ、結衣…



何があったかは分かんないけど結衣が今も偽彼女だってことはないと思うよ?



きっと何かがあったんだよ。



そうじゃなかったら西野くんが結衣に気に障るを言ったりしない。」



とあたしに諭すように言うひとみ。



「…うん」



「ひとみちゃん!終わったら中のショーケースも拭いてね!って結衣ちゃん…」


やばい…泣いてるところおばさんに見られちゃった。


メイクだって泣いたから台無しだし…



「忙しいのに…すみません。あたし…すぐに…帰りますから。」



と頑張って笑顔を作って言った。



すると、すぐにおばさんは「ちょっと待ってて」と言ってお店の中に入って行ってしまった。



あたしのばか。



バイト中のひとみだけじゃなくて、おばさんにも迷惑を掛けてしまった。