嫌だよ。 そんなの… あたしはいつになっても西野くんの……本当の彼女にはなれないの? 「結衣」 と何度も西野くんに呼ばれてもあたしは俯いてフルフルと首を横に振るだけ。 涙で視界が見えなくなってくる。 今でもこんなにこんなに好きなのに… だめだ、泣いてしまいそう。 ここで泣いたら西野くんに絶対愛想尽かれちゃう。 テーブルに置いてある数学の問題集とノートと筆記用具は持たずに あたしは持ってきたバックだけ掴んで 「ごめんなさい…」 と一言だけ呟いて、あたしは西野くんの家から飛び出した。