西野くん…本当に覚えてくれてたんだ。
しかもおんぶしたの初めてだって言うのも…
「嬉しい……あ、です!」
あたし口に出して言ってたからびっくりした。
意識してなかったから敬語も抜けてたし。
西野くんを見ると、一瞬本当に一瞬優しい表情を浮かべていたのに
すぐにいつもの無愛想に戻ってしまった。
なんで、一瞬優しい表情をしたんだろう。
ずっと見ていたかったのに。
「なぁ結衣、俺はいつまでお前のこと本当の彼女になるのを待てばいい?」
「え…」
本当の彼女?
あたしの今の立場は彼女じゃないの?
付き合ってるって思ってたのはあたしだけだったの?
もしかして、未だにあたしの立場は………
偽…彼女…だったの?

