西野くんの偽カノジョ




とりあえず基本はなんとかできている…らしい。



問題集のノートには2回目!と強調してあるくらいだし頑張ってるんだなって思う。



「この問題番号の上に書いてある☆のを解説すればいい?」



「はい…お願いします!」


急に目が真面目になった結衣。



勉強に集中すればきっと緊張の存在を忘れるよな?


解説すれば自分の勉強にもなるし。



「この問題はつまりーーーーー…ってなる。



応用問題だけどこれも公式を当てはめただけ。


難しく考える必要はないから、今度は自分で解いてみて。


分からなくなったらいつでも聞いてくれていいから。」



俺が少しずつ切りながら結衣に分かりやすいように専門用語は避けて説明すると今度は自分で解き始めた。


解きながら結衣は「ありがとうございます。


西野くんって先生みたいですね!



すっごく分かりやすいです!」



とニコニコして言いながらまたシャーペンを進めていく。



こうやってどんどん落としていく。



だから周りにいつ捕られるか心配で気が気じゃない。



当の本人は全くと言っていいほど気づいてないし、本当に自覚を持って欲しいくらい。