西野くんの偽カノジョ



「突っ立ってねーで早くこっち来て座れ」



「はい…」



西野くんは机じゃなくて黒いローテーブルに座ってあたしを待っている。



でも…あたしはどっちに座ったらいいの?



西野くんの正面に座ったらいい?



それとも西野くんのとなり?



うーん…と悩んでいると、1つ思い出した。



付き合う前に図書室で教えてもらってた時は…



西野くんの隣で教えてもらってたから隣に行こうって決めて隣に座った。




でも…座ったのはいいんだけど…間違えちゃったのかもしれない。



だって余計に心臓ドキドキするし…



それに西野くんにこの音が聞こえてそうで…恥ずかしい。



「オレンジジュースしかなかったんだけどそれでいい?



嫌なら買いに行くけど。」


あたしが俯いているのを心配そうに見つめる彼。



「あたし…好きです。」



とそれに対してあたしは突拍子でもないことを言ってたのを気付きもしなかった。