ーピーンポーン!
と甲高い音が鳴って急に緊張してきたあたし。
なんか、会いたいけど緊張して帰りたくなってきた…
思わず一歩後退ると、ガチャっとドアが開いて西野くんが「入って」と言ってきた。
「…お邪魔します。」
「誰もいないけど。飲み物持ってくから先に部屋行ってて。」
「…はい。」
あたしはブーツを脱ぐと、目の前にある階段を上った。
今日土曜日なのに西野くんの家族は誰もいないんだ。
いいような…悪いような…
なんかもっと緊張してきたよ。
こんなんで勉強集中できるのかな。
心臓のドキドキが止まらないよ。
「そこだよ、俺の部屋。」
「うわっ…いつの間に…」
本当にいつの間に西野くんいたの?
ってあたし、何部屋の前で突っ立ってたんだろ。
西野くんは「変な奴」と言って、片手で飲み物を持ってもう片方でドアを開けて先に中に入って行った。
あたしも追いかけるように部屋の中に入ると、この間来たときと何にも変わってなくて、
変わったとしたら机の上に教科書や問題集が置いてあることくらいだった。

