ー帰り道。
「ねぇ…ひとみ?」
あたしは言い辛そうにひとみに言った。
「分かってるよ。ちゃんと、西野くんには黙っておくよ。市川くんにもね!
西野くんに喜んでもらいたいもんね。」
良かった…
西野くんに黙ってやるのは気が引けるけど、仕方ない。
怪しまれないように気を付けないと。
葉山先輩も関わってるし余計にね。
「ひとみ、ありがとう。あたし、本当に今日からテスト勉強頑張るから!」
今日から計画を立てて、学校の提出物どんどん進めていこう。
暗記ものも少しずつ覚えていかないと。
「私も!でも、結衣頑張りすぎないでよ。また前みたいに頑張りすぎて倒れたりしないでね。」
あー、前科があるもんね。
勉強もアルバイトもしなくちゃいけないんだから体調管理も気をつけないと。
「はい…気をつけます!」
「じゃあ、私こっちだから。」
「うん、また明日ね!」
「ばいばーい!」
あたしたちは手を振って、お互い違う方向に歩みを進めた。
空は太陽が沈んで少しずつ星が顔を出し始めていた。

