「結衣!もう葉山先輩行っちゃったよ?」
いけない!いけない!
あたし絶対今にやけて変な顔してたよ。
急いでひとみと葉山先輩が行ったほうに行ってみると、事務所みたいな所に先輩がいてそこには葉山先輩のお父さんとお母さんが待っていた。
「いらっしゃい、急に翔太がアルバイトを誘ったみたいでごめんなさいね。」
「いえいえ、ちょうどアルバイトを探していたので…」
「葉山先輩に紹介してもらえて良かったです!」
と笑顔で答えた。
簡単に自己紹介をすると、テーブルに座るように促されてそこにはケーキと紅茶が用意されていた。
イチゴのミルフィーユだ…おいしそう。
「ここからはケーキを食べながらでいいから固くならずに答えてね。お父さんは店番してて。
翔太も勉強に戻っていいから。面接じゃなくて普通に遊びにきたって考えちゃっていいから。」
と言って葉山先輩のお母さんは2人を追い出した。
葉山先輩は事務所から出るとき、「少しは話してあるけど、詳しくはこれから自分で話せよ。わがまま言っても全然配慮してくれると思うから。」と言って出て行った。
葉山先輩のお母さんは2人を追い出すと反対側のイスに座って話を続けた。
「本当に2人とも可愛いわね!翔太ったら全然教えてくれないんだから。
やっぱり女だけの方が話しやすいかと思って翔太たち追い出しちゃったけど良かったかしら?
とりあえず履歴書見せてくれる?」
「「はい」」
あたしたちはカバンから昨日書いた履歴書を葉山先輩のお母さんに見せた。
葉山先輩のお母さんはすごく若く見えて…綺麗で優しくて、笑顔が葉山先輩にそっくりな人だった。

