西野くんの偽カノジョ




後ろを振り返ると、勉強道具を持ってあたしを見ている葉山先輩の姿があった。


そして、その瞬間…



むやみやたらに俺以外の男と2人きりになるなって西野くんに言われたことを思い出した。



男の人は怖いってこと身を持って知ったんだからすぐに帰らないと!



「な、何でもないです。失礼します。」



そう言って何もなかったかのように先輩から去ろうとしたら…



「ケーキ屋さんでバイトしない?即採用してもらえるけど…」



と言われてあたしは思わず足を止めた。




「それって短期でも雇ってもらえますか?」



「もちろん、時給もいいと思うけど。アルバイト…しない?」



先輩は少し悪戯な笑みを浮かべながらあたしを誘ってきた。



大好きなケーキに囲まれて仕事できるとか幸せ!



しかも短期だし時給もいいし即採用してもらえるって言われちゃったら…