「ここにしよっか?」とハルくんが言って、空き教室に入るとひとみが耳元で
「ちゃんと聞きなよ。私、まだ市川くんと面識ないから、気まずいしちょっと離れた所にいるね。」
と言って、窓の方に行って外を眺めていた。
ハルくんはドアを閉めると…
「それで、どうしたの?」
と優しく聞いてきた。
「それが…あの…その…
本当は付き合った時に本人に直接聞こうと思ったんですけど…
思いっきりタイミング逃しちゃって…
西野くんの誕生日って…いつですか?」
あたしが勇気を出して聞いたのに、ハルくんは質問の内容を聞いた瞬間クスクス笑い出した。
なんか笑い出すようなことあたし言ったかな?
「大丈夫、してないから大丈夫だよ。
俺が予想してた内容とだいぶ違っちゃったからちょっとびっくりして笑っちゃっただけ。
タイミングなんか無視して、葵本人に聞けばいいんじゃない?って葵の誕生日に近くなったらそう言うけど
今回は来月だから教えてあげるよ。
葵の誕生日は12月18日。ちょうど、クリスマスの1週間前だよ。」
「12月18日…」
教室に戻ったら、忘れないうちに手帳にすぐ書き込まないと…
クリスマスの1週間前ね。

