西野くんの偽カノジョ




「これでやっと結衣は俺だけを見てくれる。」



つばきちゃんがその場から去ると、いきなりそんなことを言ってきた。



あたしの頭の上に手を置きながら。



「え…あたし」



いつも西野くんのことしか…



あたしの気持ち伝わってないのかな?



「だっていつもお前何かあるとつばきつばきじゃん。



つばきにばっかり必死になんて、俺には全然必死にならない。」



西野くんはちょっと拗ねたように言った。



まただ…



「あたし、そんなにつばきちゃんのこと言ってません!」



それに女の子なのにどうしてそんなにこだわるんだろう。



もしかしてひとみのことも言っちゃいけないのかな?



「ほら、また言った。」



「な、それは…」



今の言わせたんじゃないですか!



西野くんも口押さえながら笑ってるし。