「そんな、やめて下さい!
あたし、全然今は何とも思ってませんから。
本当のこと…話してくれてすごく嬉しいです。
ありがとうございます。」
あたしは微笑みながらそう答えた。
つばきちゃんはやっぱり悪い人じゃなくて良い人だった。
そうじゃなかったらこうやって話してくれる訳がない。
「結衣ちゃん…ぐすっ」
そう言ってつばきちゃんはあたしに抱き着いてきて泣きながら何度も「ごめんね」と謝ってくれた。
本当はあんなことしたくなかったけど、
葵をとられると思ったら無意識にやってた。って…
それだけ西野くんのことが好きだったんだなって思ったらあたしも思わず涙が出てきた。
「ぐすっ…うー」
散々2人で泣いていたけど西野くんは何もしてこなかった。
そして2人とも泣き止むと…
あたしはこう言った。
「つばきちゃん、今度は恋敵じゃなくてあたしの友達になってくれませんか?」
と。
わがままだけど、断られてしまうかもしれないけど、
葉山先輩のときと同じように…
このままつばきちゃんと疎遠になってしまうのは嫌だった。
だってやっぱり嫌いにはなれないから。

