西野くんの偽カノジョ




「バカじゃないの!こんなことのために呼び出したの?ふざけないで!


…もう、私は葵のことは諦めるよ。


遠距離なんてできるわけないしね。」



え…



それって…



つばきちゃんこの学校からいなくなっちゃうの?



「あの…」



あたしが聞きにくそうに尋ねると、つばきちゃんはゆっくり話してくれた。



「最近ね、両親が離婚したんだ…



理由は敢えて言わないけど。



それで母についてくことにしたから3日後母の実家に行く。



だから…この学校も今週でやめるんだ。



最近学校にいなかったの知ってたでしょ?」



つばきちゃんは哀しそうな顔をしながら無理して笑っていた。



あたしはコクンと頷いて「西野くんには想いを伝えないの?」と聞いてみた。



お人良しなのかもしれないけど…



普通の彼女だったら言わないかもしれないけど…



相手に気持ちを伝えることがすごく大切なことだって



西野くんに気持ちを伝えたときに感じたから…