先生にどうしても見つかりたくなくて、早歩きで歩いていると案外すぐに空き教室の窓に寄りかかりながら外を眺めている西野くんを見つけた。
そんな姿もかっこいいなと思いながらゆっくりドアを開けると、すぐに西野くんがあたしを見てきた。
「…何?」
お、怒ってる?
それとも声が低いからそう聞こえるだけ?
「あの…………
一緒に……いてもいいですか?」
心臓が壊れそうなくらいドキドキいってる。
そこまで近くにいるわけじゃないけど…この音が西野くんに聞こえてそう。
あたしが勇気を出して言ってみると…
「いいよ、おいで。」
と今度は優しい口調で言って、あたしは座り込んだ西野くんの隣にちょっと空けて座った。
そうすると、すぐに…
「…何で空けるの?」
と最初の声で言われた。
「こ、これ以上は……緊張しすぎて、もう…行けないです。」
と俯きながら必死に言った。
あたしはそうちゃんと言ったはずなのに、西野くんはあたしの言葉を無視してあたしの肩に手を置いてそのまま引き寄せた。

