西野くんの偽カノジョ



「西野くん…」



「掃除終わったけどもう帰る?



まだ生徒ちょっと残ってっけど」



あたしは首を横に振った。


「そんな迷惑かけられないです!もう少ししたら帰りましょう?」



「言うと思った。別に、俺は全然構わねぇんだけど。」



「嘘って言えば皆さん分かってくれますかね?それなら…」



あたしと一緒に帰ってても案外気にしなかったりして。



そんな暢気なことを考えていると西野くんは「はぁ…」と思いきりため息をついた。


「だから!やっぱいい。」


「何がやっぱいいんですか?」



と聞いてみても「言わね。」の一言。



だけど…「みんなが帰るまでオプションで勉強教えてやるよ」と言ってくれて



今日数学の授業でやった所を分かりやすく教えてもらいました。