「とにかく!これからはそんなことしなくて済むだろ?」
ん?どうして?
別に一夜漬けや3日前から環境が変わる理由なんてあるの?
「葉山先輩が教えてくれるんですか?」
きっと先輩勉強できるだろうし、
手伝ってくれたら…テストの赤点回避も…
「違う。俺じゃないでしょ。もっと頭良くて、何でもできる奴が1番結衣のそばにいるだろ。」
もっと頭良くて、何でもできる奴…
もしかして…
「…西野くんですか?」
「そう、他にいないでしょ。アイツに教えてもらいな。
俺でもいいけど、絶対に嫉妬するし、殴られたりするのもご免だからね。
その前に俺受験生だし。」
そうだった。先輩が受験生なのすっかり忘れてた…
でも…
西野くん教えてくれるかな?
そういうの嫌いそう。
めんどくせぇ!それくらい自分でやれ。って言われちゃいそう。
ヤキモチもね…西野くんに限って…ないだろうし!
うーんと一人で悩んでいると…
「結衣はまだアイツのこと全然分かってないな。
でもまぁ…付き合って行けば分かるか!さてと、アイツが来ないうちに戻ろ。」
「はい。あの…本当にありがとうございました。」
あたしはもう一度頭を下げて教室に戻った。
また言われちゃった。今度は別の人から。
西野くんのこと全然分かってない…
最近少しずつ分かってきたと思うのに、まだまだなんだなぁ…

