先輩は一瞬目を見開くと…
「これ、わざわざ作ってくれたの?」
と嬉しそうに言ってきた。
あたしはその返事にコクンと大きく頷いた。
先輩に作ったのはチョコチップクッキーだ。
甘いもの好きかどうか分からなかったから
作るのやめようかとも思ったけど
他にお礼できることが思い浮かばなくて結局作ったのだった。
「サンキューな。」
「いえ、本当にありがとうございました。
あたし…先輩があんなことしてくれなかったら未だにできなかったと思います。
だから先輩にはすっごく感謝しています!」
あたしは笑顔で先輩にお礼を言った。
だけど…先輩から返ってきた言葉は
「やっぱり後押しなんかしなければよかった。」
という哀しい言葉でそのままあたしは先輩に抱き寄せられた。

