西野くんの偽カノジョ




よしっ!



もう朝のホームルームあるし、みんなから逃げてないで教室に戻ろうとしたとき…



ガラガラと勢いよく図書室のドアが開いた。



「…やっぱいた。はよ!」



もしかしたら来るかも。って思ってたらやっぱり来てくれた!



「お、おはようございます」



そう言ってあたしの前に現れたのは…



昨日あんなにたくさんいる生徒の前で協力してくれた葉山先輩だった。



「んだよ、どもるなよ。…教室凄かった?」



心配そうに聞いてくる先輩。



本当に先輩はどこまでも他の人のことばっかり。



「まぁ…でも全然大丈夫です!」



だからもう先輩に頼ってばっかりは卒業しないと。



今の時期だって受験に向けて大変な時期なのに。



「何かあったらすぐに言えよ。アイツでもいいけどさ。」



と言いながらあたしの頭を撫でる先輩。



「はい…あの…葉山先輩、イケメンコンテストの時は



本当に本当にありがとうございました。」



あたしは頭を下げて先輩にお礼を言った。