西野くんの偽カノジョ




「ハル…くん?」



おそるおそるハルくんの方を向いて呼んでみた。



ドキドキする…



きっと西野くんの名前を呼ぶ時が来たら



…こんなもんじゃ済まない…絶対に。



それに今のあたし…絶対顔が赤い気がする。



やっぱりだめだ。



あまりの恥ずかしさに耐えられなくて俯いていると…



「やっと呼んでくれた~!これはやばいね!



結衣ちゃん、今日から葵と付き合い始めたけど



別れて俺と付き合わない?」



と悪戯な笑みを浮かべてあたしに言ってきた。




「え…あの」



「ダメに決まってんだろ。



捕まえるのに本当に苦労したんだから。」



と言ってあたしは西野くんの後ろに隠された。