「西野葵くんですよね?」 知らない訳ない。 だって本人には言えないけど好きな人だもん。 他にも知ってることはたくさんある。 それくらい…好き。 「そう。結衣だって俺の名前知ってんだから問題ねぇだろ?」 うーん… なんかちょっと違う気がするけど、あたしはコクンと頷いた。 「じゃあ遅くならねぇうちに帰るぞ。家教えろ。」 「はい!」 こうしてあたしと西野くんとの短い偽交際生活が始まった。