西野くんの偽カノジョ





あたしは近くにあった救急箱の中から体温計と



冷蔵庫から冷えピタを取り出してすぐに西野くんたちの元に行った。



「…持ってきました!」



あたしは西野くんに体温計を差し出した。



「葵どうする?家帰る?



帰るなら荷物持ってくるけど」



「…38度以上あったら結衣と帰る。」



…え?あたしと?



でもさっきのこともあるから教室にちょっと戻りにくいしちょうどいいかも。



「本当葵はいつだって結衣ちゃんのことでいっぱいだな。



結衣ちゃん、今日残りの授業全部サボることになっちゃうけど大丈夫?」



「はい、大丈夫です。」



「良かった!じゃあきっと38度以上あると思うから2人の荷物持ってくるね!



それまでごゆっくり。」



市川くんはフッと笑うと保健室から出ていった。



それまでごゆっくりって今すごーく気まずいんですけど。



だってだってまともに話したのずっと前だよ?


それに好きな人が目の前にいるからすごくドキドキする。