西野くんの偽カノジョ





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今日学校行くか悩んだけど家にいたら



きっとずっと西野くんのことを考えてしまうから無理矢理体を起こして学校に来た。



いつものように学校の門をくぐって昇降口に向かってトボトボ歩いていると



「結衣、おはよう!って…」



「ん?おはよ!」



あたしに話し掛けてきたひとみだけれどなんだかおかしい。



あ!もしかして目のことかな?




昨日翔太先輩の前で散々泣いて、でも家に帰ってからは泣いてないのに



朝起きたら目が少し腫れていた。



「目のことだよね?昨日ね、時間があったら家で感動映画見たら涙がやばくって…」



「結衣…」



「本当に凄かったんだよ?ラストシーンが涙でよく分かんなかったくらい!」



「結ー衣!」



ひとみは辛そうな顔をしてあたしの名前を呼んだ。


その瞬間、嘘がバレてたのもひとみの顔から分かった。