「いい加減馴れたら~?」

『美保!』

「美保さん、おはようございます」


ひょこっと姿を現したのは美帆(みほ)。

アルバイトから社員になる事も多いうちの会社。

私も美帆も別々の店舗でバイトしてて、入社式で出会ってから意気投合。

見た目クールビューティーでサバサバしてる美帆と、童顔でちょっと心配性の私は正反対な感じだけど、それが逆に良いのか、私にとってなんでも話せる1番の親友なの。



「おはよ~。てんちょーも」

『もぉ~美帆まで店長って止めてよ!』

「はいはい。あ、そういえば、搬入来てたよ」

『それ早く言ってよ!!』


美帆の言葉に慌ててエプロンを取るためにロッカーに向かう。

「あ、亜香里さん、私もう準備出来たんで先に検品して来ますよ」

『本当に?ごめん、私も直ぐに行くから!』

「はい。じゃあ先に言ってますね!」


パタパタと出ていく遥ちゃんを見送って私も急いでエプロンを着ける。