12月13日
午前7時30分
眩しい朝日が冬空から顔を出していた
いつも通学路で会う人達が今日は一人も居ない
寒くて皆家を出たくないのだろうか
それに今日は一段と寒く吐く息が白い…
「寒いなぁ…」
そう呟きながら伏せていた顔をあげる…
と、寒さに曇っていたアタシの顔は一気に笑顔になった
「ぁ…日向ー!!!」
アタシがそいつに呼びかけると、
一足先に学校に向かっていた猫背が遠くで振り返る
日向はまだ眠そうな顔でアタシに向かって微笑んだ
「埜唖サン、朝から元気ですなぁ…((苦笑」
「っはよぉー!!」
陸上部で鍛えた足でダッシュして
アタシより何倍も高い背に抱き着くと、『はいはい』って抱きしめてくれた
しばらくしてアタシが落ち着くと、いつものように二人で手を繋いで学校へ向かった
「ねぇ日向」
「んー?」
「今日さ、登校中に誰か人に会った?」
日向はアタシの質問に少しキョトンとしていたが
すぐにいつもの低音ボイスで
「そういや今日は誰も見てないなぁ…」
と答えた
「なんかあんのかな、今日…」
「さぁー?」
…この時は、特になにも感じてなかった
まさか、学校であんな事が起こっていたなんて