一方、久藤夏紀は旧校舎の家庭科室に携帯を握りしめながら座り込んでいた
目には涙を浮かべて
膝も震えて言うことを聞かない
「どぉしてっ…うちのクラスだけなのー…!」
夏紀は運動が苦手だった
それこそ小学生の頃からかけっこはいつもビリだったし
体育のバスケやバレーなどのチーム分けでは、いつもなすり合いをされていた
「このままじゃ…すぐつかまっちゃう…っ」
助けて…埜亜ちゃん…っ
携帯を握りしめて
唯一の友人の名前を呼ぶ
−ピリリリリリリ!
握っていた携帯が音を鳴らした
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