窓際の若い男がやってきた。

『すみません遅れました、立花です』


『立花さんね、社長が出てるので、僕が案内します。専務の矢野です』


『はい。よろしくお願いします。』


『じゃーロッカーに名前書いてあるから着替えてきてそこの突き当たりね』


『はい。遅れてすみませんでした。』

専務と言っても20代半ばの若い男である。

目は二重で鼻筋が通り、薄い唇。ちょっと冷血そうに見えるのは気のせいだろうか…

いわゆる今流行りの顔だ。

でも私のタイプではない。なにか頼りない気がするのだ。